そして放課後、あたしたちは再び商店街へと向かった。


昨日と同じでガランとしている【ドールハウス】のあった建物へと、実紗が歩み寄る。


「本当にどこかへ行っちゃったんだね」


「うん……。でも、予測はできていたことだから、今はできることをしようよ」


落ち込む実紗を励ますように、あたしは言った。


実紗はガラス張りの建物の中をジッと見つめていたけれど、しばらくするとスッとそこから身を離した。


その目は少し吊り上がっていて、怒りを感じさせた。


「行こう、陽子」


「……うん」


あたしたちは手始めに【ドールハウス】に隣接しているお店を当たってみることにした。


【ドールハウス】の右手にあるのはガラス細工を扱った雑貨屋さんだ。


レンガでできたアンティークな建物で、白い扉を開くとカランカランと低い鈴の音色が響いた。


「わぁ……」


店内にズラリと並んでいるガラス細工に思わずため息こぼれる。