こうして冷静に自分の状態を把握できている内に、どうにかしなきゃいけない。


両親に頼るという手もあるけれど、今は高価な買い物がバレて怒られるという事よりも、蒼太が両親にまで手を出しかねないという不安の方が勝っていた。


人間1人の腕を簡単に折ることができる彼氏人形。


逆上すれば殺すことだって簡単にできるだろう。


学校についてすぐ、あたしは有里の姿を探した。


最初に彼氏人形の紹介してきた有里なら、きっと何か知っている。


安全に彼氏人形を止める方法があれば、聞きだす必要があった。


しかし、こんな日に限ってあたしは早く学校へ付きすぎてしまい、教室にはほとんど生徒の姿はなかった。


あたしは自分の机にカバンを置き、イライラしながら有里が登校してくるのを待った。


そして、数重分後、有里と実紗がほぼ同時に教室に入って来た。


いつも通りあたしには見向きもせずに席へ向かう有里。