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実紗と別れてすぐにバイト先へ向かうと、思ったよりもずっと早い時間についてしまった。


特別やることもなく、ジュースを買って出勤時間になるまで休憩室で過ごす。


ぼんやりと監視カメラで店内の様子を眺めていると、バイトに入っている1人の高校生が休憩を取りに部屋に入って来た。


近くの高校に通っている18歳の良子(リョウコ)さんだ。


有里と同じで派手なタイプな良子さんは、怒られない程度に髪を染めている。


本当は指輪もネックレスも付けているけれど、今は外していた。


「今日は実紗の代理?」


隣の椅子に座りジュースを口に運んで、良子さんはそう聞いて来た。


「そうです。実紗、腕を骨折しちゃって。しばらくはバイト入れないと思います」


「そうなんだ? どうしたの?」


「昨日階段から落ちちゃったみたいで」


あたしは、実紗のついた嘘をそのまま良子さんに話した。


「階段から? あの子しっかりしてそうに見えるのに、以外とドジなんだね」


そう言って良子さんは苦笑いを浮かべた。