公式リーグの全日程が終わった後、帰っていく観客のとは別の場所へ俺達五人は足を運んでいた。


「おいおい、いいの?バックヤードじゃんここ」


「リッコ・イズ・太いパイプ」


不安になる俺に対し、マカロンが相変わらずの無表情でそう答える。


そういや、今日の試合のチケットもリッコが押さえてくれたんだっけ。それだけここに慣れてるんだと思ってたけどそれだけじゃないってことだ。この女、一体何者なんだよ。謎過ぎる。


「やぁリッコ!観に来るのは久々じゃないかい?」


完全に浮いた存在の俺達だったが、リッコに話しかけてきた大きな影に肩を震わす。


「あ!オルフェの点取り屋の8番!」


「リューイだよ。君はさっきイツとパフォーマンス対決した……あぁ、そうだ!『love boy』だね」


ん……?さっきのイケメンゴジラもそうだけど、なんで俺、知られてるんだ?


「おや?なんで知ってるんだって顔だね。君の話はここ最近良く聞いているよ。リッコやハーシー、マカロンからね」


その言葉に後ろを振り返ると、ハーシーがドヤ顔でピースしていた。