これには、流石にカッチーンとスイッチが入る。


「レン、あんな安い挑発に乗る必要はないわよ」


その笑いの中、リッコが唸るように呟いた。


「んにゃろう……ぜ!」


「へ?レン?」


だがしかし、俺の頭の中はただ今男のプライドスイッチが完全にカッチーンと音を立ててオンになっている為、リッコの声は届かない。


「そこでハァハァ言いながら待ってろイケメンゴジラ!俺のこのボール捌く絶妙な掌でテメェの尻肉スパンキングしてやるぜ!」


乗せられて、とんでもない下ネタを叫んでどかどかとコートに降りると、観客のテンションがぐわぁ、と上がって熱のある歓声がこだまする。


「面白いことに、なった」


「ねーホント。レンちゃんってば、意外と単純。……でも、なんだろ、いい勝負しそうだねぇ」


観客席でマカロンとハーシーがそんな会話をしているとは露知らす、俺は自分より少し背の高いイケメンゴジラにメンチ切った。