思わず55番の方に目線を戻すと、あちらも、俺の方を見ていた。


しかも、人差し指はガッツリ俺の方を差していて、スポットライトすら、俺を捕らえている。


状況を読み込めない俺に、55番……イケメンゴジラ、イツが、ニィ、と不敵に唇を吊り上げた。


「ヘイボーイ!そんな所にいないでこっちにおいで!俺とどっちがレディー達を喜ばせられるか勝負しよーよ!」


爽やかなベビーフェイスだが『レディー』はかなり寒くね?


なんて思って眉毛を寄せてしまうが、あちらさんはどうやら本気らしい。


「どうする?降りてこないの?」


こんな挑発をされてしまうと迷ってしまう。でもなぁ、5on5の元プロで現役プロボーラー相手に勝てる気はしない。


《おっとー!おっとっとー!?これは面白い!イケメンゴジラが本物のイケメン、それもピチピチのハイスクールボーイをご指名したぞー!》


「いやいや、ちょっとー、それ、俺が偽物のイケメンみたいじゃん」


MCの煽りに、イケメンゴジラのツッコミが入り会場が笑いに包まれる。


「来ないの?俺のフィンガーテクには勝てないかな?……それとも、まだドーテー?」


イケメンゴジラのその下ネタな挑発に、会場は更に笑いでいっぱいになる。