【完】籠球ロマンティック

「おわー、元プロとかいんのか」


「うん。後はBJリーグ狙ってる選手とかもね。ここからプロなりアメリカなりに行った選手も少なくないわ」


なんだか凄いことを聞いてしまった気がする。ここに来てからずっと、もう、胸のときめきが止まらない。


「ドリーム・タイフーンですな、正に」


「レンって頭良いのにたまに頭悪いこと言うわよね。まぁ、否定はしないわ」


ストリートボールに出会ってから、ホント、こういうのばっか。厨二病みたいなこと連発で言っちまうくらいに、ロマンチックな雲と夢が、この世界には広がっている。


《セイ、セイセイ!55番イツの華麗なボール捌きからのー……8番リューイのダーンック!》


MCのリズム感のある解説と共に、前半16分の終わりのブザーが鳴り響く。


試合は、序盤からぶっちぎりで『ORPHEUS』の一方的な試合であった。