もう一方のチームの選手も入場し、観客の声がしん、と静まる。


《Yeah!準備は出来てるかい!それじゃあ……Here we go!》


DJの声と共に始まった試合は、それはもう、目まぐるしい流れだった。


息つく暇もないとは、正にこの事。


ストリートボールの公式リーグは、1クォーター8分、前半後半16分にハーフタイム1分が加わっている、といった具合だ。


その短すぎる時間の中で、ハーフコートの狭い空間を、6人の男達が縦横無尽に動き回る。


技の押収、選手の脇を歩きながら行われるMCの解説、DJがハードにプレイしなかがらかける音楽、全てのリズムが混ざり合い、俺のハートをうず、うず、と揺らす。


それと同時に、何だろう。初恋の時のときめきみたいに視界をぐらつかせる、この目眩と熱をもたらすこれは、何だろう。