『ORPHEUS』と大きく出た画面が、音楽と、観客の声で揺れるような錯覚に陥った。


「オルフェ・ボンバイエ!オルフェ・ボンバイエ!」


観客のその声と同じように、ハーシーも楽しそうにコールする。


「ぶはっ、なんかプロレスの登場みてぇ」


「確かに。でも、これは燃えるね」


思わず苦笑を落とした俺に、ニコニコ楽しそうな佳那汰が声を被せる。


その『ボンバイエ』コールの中、堂々とした風格で現れる選手達。


ガタイの良い選手や、若手の選手、優男風の選手と様々な顔ぶれ。


「なんだ?ナンバーがバラバラだな」


「うん。そういうのも自由に出来るの!良いでしょ?」


確かに、5on5の場合は4番スタートで、ベンチの15人まではレギュラーで……と決まっているから、その点ストリートボールはかなり自由だ。


リッコの興奮気味に上擦った声を聴きながら、ぼんやりとそう思う。