『公式リーグへの登竜門』と大々的に書かれたそれに、俺は眉毛を寄せて見入る。


「へぇ、こういう大々的な試合あるんだ?」


「そ、この試合はストリートの日本公式リーグで試合するチームになる為のトライアウトさ!」


今までこんなの、リッコもハーシーもマカロンも言ってなかったから知らなかった。


あのストリートボール狂いの三人が知らないわけ無いだろうに。


「公式リーグのワンシーズンが半年なんだけどね、その間にこのトライアウトは4回開催されるんだ。各優勝チームはシーズン終了後の特別な日に、公式リーグの行われるライブハウス、聖地イエローコートで決勝リーグを行うんだ」


琴音店長の説明に、俺は不要レシートにピラミッドを書いてその解説をメモしてみる。


「そこで勝った1位はそのシーズン最下位になったチームと入れ替えで公式リーグにくり上がり、2位だったチームは公式リーグの下位チームと入れ替えをかけて戦う権利が与えられるんだ」


「成る程……ってか、凄いっすね。普通のバスケのプロリーグと違ってチャンスがあるんだ」


普通にプロになろうと思ってもそうなれはしないけど、ストリートボールの方は正に弱肉強食。


「まぁ、そこまではかなり長いけどねぇ。高校生が簡単に上がれるモンでも無いだろうけど」


「御託はいらんよ店長。夢、広がるねぇ」


なんだかデッケェ夢が、ね。