「ねーねー、俺も行きたいかも!部活サボっていい?」


「お、カナは頭が回る良い子だ。良いよ。チケ取ってあげるよ」


最近やけにストリートボールに興味津々の佳那汰は誘われた俺より乗り気。


そんな佳那汰の態度にリッコはご満悦の様子だ。


「急だから、バイト、休めない?」


「いや、融通は聞くと思うけど」


マカロンが顔のいかつさとは対称的な柔らかな声で首を傾げるので、断りにくい。


まぁ、俺のバイト先、あれだし。


あれっつうのは、まぁ、あれですよ。


とりあえず、明日バイトだし店長に話そう。多分、喜んで休みにしてくれるだろう。


「し、し、し、試合!」


「おー、いえー、わーお!」


リッコとマカロンは楽しそうに謎の歌を歌い出す。そりゃもう、ルンルンと上機嫌に。


しかし、やっぱりマカロンは無表情だ。この顔と声の呑気さとの対比にも、もうすっかり慣れてしまったけど。