恋夜が加入してから三週間。台風の目のような恋夜のせいで、過ぎて行く時間があっという間である。


それというのも、恋夜は中学時代全中を制した実力を持つ男であり、高校バスケの手練れとの繋がりが広い。


主に中学時代の同級生の先輩、または他校だったバスケ部の友人に紹介してもらい、実戦を交えた3on3を組むようになった。


そして、スネイク・オーバドゥと戦った者達から新たなプレイヤーへ噂が広まり、大学生や他にチームを組むボーラー達が、こぞって勝負を挑んでくるようになったのだ。


これまで、律子のコネクションでたまに対外試合をするくらいの練習が、一気に彩鮮やかになる。


これには、葉月も、律子も論理も、かなり満足をしている。


「レンちゃんそれ何飲んでんのよ」


「おう?見りゃわかんでしょ。ガラス玉入りのソーダよ」


これだけ体を動かした後に飲むもんかね、天才ってわけわかんな。


葉月は、ギャラリーがいなくなってすっかり日の落ちたコートで炭酸を口にする恋夜に、そう思いながら困ったように笑った。