「何、ハーシー、煩い」


「マカロンは黙ってて!年功序列!ねね、俺と先にしよーよ!」


どうやらハーシーの方も1on1をやりたかったらしく、我慢の出来ない子供のように、うずうず、と肩を揺らす。


「そんなの、ずっこい。歳上なら、譲る、べ、き!」


「ハァン!?いつも俺のこと歳上だと思ってないくせに!よし、どっちが先にレンと戦うか一本勝負と行こうじゃないか」


言い出すや否や、ハーシーとマカロンは足早にコートへ走って行ってしまう。


それを楽しそうに見ていたリッコは、ふふふ、と笑ながら俺の方を向く。


「あーあ、一本じゃ終わんないよー、あの調子じゃ。ありゃエンドレス1on1だわ」


「いんじゃね?どうせ、俺とならいつでも出来るっしょ」


まるで、子供を見守る親のような気分になってきた。両方歳上の筈なのに。


「そーいやさ、リッコ」


「おう、なんだなんだレンちゃんよ」


俺の投げかけた言葉に答えるリッコの口調が江戸っ子なのは、とりあえず突っ込まないでおこう。