「え、何これ、この雰囲気。リッコ、どうしよこれ」


「知らんがな。何さ、男が揃いも揃ってふにゃちん顔しちゃって」


リッコはふん、と鼻息を荒くするとさらっと際どい例えを投下する。


「ヤメロォ!あんたな、ンな可愛い顔でなんつう単語発してんだコラァ!」


「リッコの口の悪さなんか良いんだよ!それより、レン何者!?スゴ!リッコに勝つとか!」


ハーシーに興奮気味に息巻かれ、たじろぎズザザ、と後ずさると、肩をガッシリ掴まれてマカロンに体を支えられる。


その大きな色素の薄い手は大きく、ゴツゴツと骨張った形状で男らしく、バスケに向いた手をしている。


「レン、俺としよ」


「ほい?する?」


「1on1、しよ」


いかつい顔に、長身の威圧感で俺に言ってくるマカロンは、正直、怖い。


一歩間違えたら失明しかねなかったであろう眉毛のピアスが太陽の光を反射させ、キラリと俺を攻撃する。


「別に、いーけ……」


「ちょっと待ったァァ!」


返事をしようとしたら重なった、男にしては高いハーシーの大きな声。


その声は、残りの三人に突風が吹き荒れたような衝撃をもたらす。