「勝ったぁぁ!勝ったわよ、ホント、愛してるー!」


ほぅ、と興奮し過ぎてぼんやりする頭をクリアにしたのは、喜びで飛び付いてきたリッコの声と重さと柔らかさ。


「最後の足蹴りスティール、興奮よ!流石、バスケから離れてた間に先輩達をボッコボコにしてただけあるわ!最高!」


「……にゃろう、佳那汰が喋ったな。あれは正当防衛だっての」


背中に抱き着いたままのリッコの方を見れば、頬を桃色に染め、ニコニコと笑う最強に可愛い顔が眼前に広がる。


「レン、そんな君も含めて、君は素敵よ!」


そして、後々思い出したら絶対心臓吐き出してしまいそうな照れる言葉と共に、俺のこめかみの辺りに、リッコの柔らかな唇が、ちゅ、と音を立てて降ってきた。


鳴り止まぬ歓声、奥の方にイツの怒声や、ハーシーとマカロンの冷やかしの声が聞こえた気がする。


この空間は、どこまで膨張し、どこまでキラキラするんだろう。ロマンティックな光景は、俺を捕らえて離さないんだ。