「受け取った!想い、全部!」


真っ直ぐとは言い難いパスを、俊足でマークを外して追いかけるハーシー。


それを阻止しようと、懸命に追いかける相手。


すばしっこいハーシーが、その低いパスを拾い上げ、持ち味であるクイックシュートを一発放つ。


「いっけぇぇえ!」


コートの外からリッコの大きな叫びにも似た想いのこもった声が降りかかり、ボールは、震える空間を抵抗するかのようにまっすぐと、ゴールに吸い込まれていく。


そのワンショットが、バックボードにワンバウンドし、俺達に3ポイントの追加をもたらした。


残り時間8秒。6点差を付け、勝利という朝陽に向けて、蛇が蛇行する。