その作戦を聞いて、俺は思ったことを口にする。


「……蛇ですからねぇ。そういう噛み付くみたいな作戦もありなんじゃねぇの?」


スポーツマンシップなんてものは、毒を持ったスネイク・オーバドゥには必要無いでしょ。


俺が答えるその左横では、マカロンが手を蛇の形にして、『がぶぅ!』と言いながらハーシーの頭を掴んでいるところで。


「おーい、マカローン?俺に噛み付いちゃダメでしょ?噛み付くのはあちらさんになの!」


「まち、がえた」


どうやらこの二人にも、異論は無いようだ。


「時間も、チャンスも、全部奪ってやりなさい!……信じてるわ、君達を」


再び笛が鳴りタイムアウトの終わりを告げ、リッコが俺達三人の背中を押して送り出す。


だけどね……うん。俺達は振り返る。同じ気持ちで、振り返る。