【完】籠球ロマンティック

俺達がベンチに引っ込むと、リッコがそれぞれにドリンクとタオルを渡す。


「はい、レンにはこれね」


ハーシーとマカロンにドリンクとタオルを渡し終えたリッコが俺に渡してきたのは、クーラーボックスに入れて持ってきていた安定の瓶ソーダ。


「お、分かってるね」


それに気持ちが少し和み、炭酸なのも忘れて一気に飲むと、喉がビリビリと炭酸の通る感触に麻痺した気がした。


「皆、最後のこの数秒の作戦を話すわ。体の動きを止めないで聞いて頂戴ね」


水分を摂っていた俺達は、皇兄妹を囲み、足を小刻みに動かしながら、リッコの最後の作戦を真剣に聞く。


「……って感じにしたいの。正々堂々やりたいとは思うけど、勝つ為に、反論は聞かない」


それは、司令塔としての思いきった作戦。こんなものまで作戦に使おうとは。