点を取って、取られて、リッコのサインを確認して、何度となくボールをカットするのにも挑戦して。
コースが分かってても、その通りにならないのが俺のいる世界だって、その度に実感する。
終了まで、残り時間38秒。
点差は変わらず3点差。『ディアボロ・ボーイズ』のオフェンス、取り返せない数字ではない。
同点に持っていかれたら、フリースロー対決となるようで、そうなると、スタミナ面で劣る俺達が不利になってしまうのは分かりきっていることだ。
覚悟を決めてふぅ、と息を吐いたところで、ピピ、と短く笛が鳴る。
審判の方を向けば、隣にイツがいて、一試合で一度きり使えるタイムアウトを取ったようだ。
ここぞというタイミングで取ってくれたそのタイムアウトにホッとする。



