「……シビレたわ。あんなシビレる戦い、インハイでもウィンターカップでも見れないもの。貴方、あの頃よりもずっと輝いて、素敵なプレイヤーになってたわ」


信じられない。あの美鶴が、リッコを褒め称えた。


興奮に震えて、まるで宝物を見るかのように瞳を輝かせ、称賛の意を示した。


きっと美鶴はホントにバスケが大好きなのだろう。


いがみ合っていたって、認めるしかない程に、リッコや俺達のプレイにときめいたんだ。そう思った。


「ねぇ、また貴方が、貴方達が輝くところ、見れる機会はあるの?」


美鶴の問いに、ムスっとした顔だったリッコの顔が柔らかな、それでいてキラキラで包み込むような笑顔に変わる。


「二ヶ月後、三月にね、公式リーグに近づく為のトライアウトがあるわ。私達、ひと花咲かすどころか花畑作ってやるわよ!」


「そう、楽しみにしてるわ。部活なんかポカして観に行くから」


女って怖い、なんて思ってたけど、なんだコイツ等、結局根っこは同じバスケ大好き症候群。


握手した後に照れたように笑う女達を見て、俺達男もホッとひと安心し、ようやく笑顔になった。