こりゃ、どっちも冷静じゃないな。そろそろ止めに入るか。マジで嫌だけど。


「あんたら、少しは冷静に……」


「「男は黙ってなさいよ!」」


「ぐっ……!ダメだ、無理だ、俺には止められない!」


志半で、何故か息ピッタリでバッサリと切られた俺は、直ぐ様男軍の塊へ走って戻る。


「せっかくだから、ストリートボールの素敵な舞台、用意してあげるわよ!貴方達、土日のどっちか空く時間ある?」


「土曜日の午後からなら朝練後で空くわね。最高のステージ楽しみにしてるわ!まぁ、勝つのは剣里だけどね」


トントン拍子で決まっていく戦いの予定に、俺達男は目を白黒させるしかない。


「聞いてた!今度の土曜日試合よ!レンはバイト休みなさい!」


「皆も聞いてたわね!?土曜日は部活後の買い食い無し!有無は言わさないわよ?」


この女二人の迫力に『でも』とかそういう否定の言葉を出せる奴は一人もいない。


つまり、男というのはいつの時代も、女の尻に敷かれるしかないのだ。