高校一年生当時の論理は、今の単位制高校ではなく、バスケの強豪校である別の高校に通っていた。


当時から190センチある長身で、且つ、均衡の取れた筋肉の付いた体格と、ゴール下での揺るぎ無いディフェンスから、早い段階でベストメンバーへ選出されていた。


加えてその、端正な顔立ちと、子供のように無邪気な性格から、同性からも異性からも一目置かれる存在であった。


その当時は勿論、今のようないかつい見た目ではなく、天然の色素の薄い小麦色の髪の毛を短くし、ピアスの穴も空いていない爽やかな外見で。


どちらかというと良く喋り、鈴の鳴るようなコロコロとした声で笑う、少し大きな普通の高校生。


そんな彼にとっての憧れの、一番信頼出来る存在は、バスケ部のキャプテン……ではなく、高校でバスケを始め、三年になって初めてユニフォームを貰った部員、秋葉哲(あきば さとし)という小さな男だった。