「レーン、いる?」


「なんだマカ……モゴァ!?」


マカロンの得意のお菓子ねじ込み攻撃を食らい、思わず奇声をあげてしまう。


「エンゼル、パイ」


「分かってらい!ねじ込む前にひとアクションしろし!驚くわ!」


エンゼルパイは確かに美味い。美味いが、思わずキレキレのツッコミを入れると、マカロンは柔らかな無表情で首を小さく傾げた。


この動きも、最近は天然な動きと言うより、こんな時どんな顔をすれば良いか分からないマカロンの表現だってことも、何となく読み取っている。


……まぁ、マカロンが『喋れない』『笑えない』奴だとしても、別にマカロンに変わりはないから良いんだけど。


「レン先生!英文和訳しました!」


「おっそい!しかも……これじゃ日本語になってないし!アホかぁ!」


最近ひしひしと感じるのは、俺達『スネイク・オーバドゥ』はそれぞれに何かぽっかり穴が空いてしまった集団だということ。


だから、キラキラとまぶしいバスケを、手放すことが出来ない集団なんだ。


……とその前に、リッコに欠落した『語学力』を取り戻して貰わなくちゃ、今は何も始まらないわ。