「恋夜スゲー!ネタでそれ出来るとか、どんだけだし!」


「ちょ、その調子で何かやれー!」


……アホばっかで助かった。名言ありがとう。合掌。


俺が見事なリバウンドを取ったのがよっぽど意外だったのか、バスケ部の連中は文字通り、ポカーンとしている。


んーこれ、このまま調子に乗ってもいいやつなんじゃない?


「じゃあ次は、絶対エースになっちゃいまーす!」


ドリブルを突きながらドヤ顔でそう言えば、周りの奴等もキャンキャンと囃し立てる。


まだアホ面を貼りつけたままのバスケ部の連中を他所に、俺は左サイドから回り込むように速攻カウンターを仕掛けた。


ざわめく体育館、俺はただ一人、もうゴールしか見えていない。


雑魚なんて見えてない。腕が鈍るなんてありえない。あの頃と同じように、皮膚から呼吸して欲して、筋肉を軋ませて、自分がゴールする姿を鮮明にイメージする。