拍手の音が、続く。 パチパチ、パチパチ。でも、重なるその音は、どんどん遠くなっていく。 「い、飯田くん…っ!!」 背中で、市ノ瀬のあわてた声がした。 …とっさの行動だった。 退場口を出る瞬間、おれは、市ノ瀬の手を引いて、走り出していた。