コントロールできなくて、バカみたいに市ノ瀬のことばっかり。
自分のアタマん中が、どうなってんのか、さっぱりわかんねー。
ライトに囲まれた、黄色い世界。
何も見えない、ただ熱い世界。
歌が終わって、その光がフッと、照度をおとす。
体育館が、大きな拍手に包まれた。
こんなに完成度が高いとは思ってなかったんだろう。
生徒だけじゃなく、先生たちも沸き立っていて。
委員長が礼をして、おれたちに退場のサインを送る。
列がゾロゾロ、退場扉の方向へ流れていく。
きしむ、銀の足場。
ホッとしたのと、止まない興奮でソワソワしたままの、クラスメートたち。
ギイギイ、ギシギシ、進んでいく。退場口を出たら、終わりだ。



