だっておれ、ガラガラ、ガッシャーン!!て。
でかい音立てて、ガレージみたいなの下ろしてやりたいとか、思うもん。
市ノ瀬のまわりに。
光をさえぎるやつ。防音機能も、ついたやつ。
閉じ込めてだれにも見せたくなかった。聞かせたくなかった。
きれいな指先も、奏でる音も、全部。
知られたくなかった。
おれだけが見つけたんだ。そう思っていたかった。
…おれ、好きだ。
鼻がツンとして、泣きそうになった。
何でだよ。何、こんな時に感傷に浸ってんだよ。バカみたいだって、自分で思う。
思うんだけどさ。わっかんねーんだよ。
市ノ瀬を好きになってから、おれ、自分に何回バカって思っただろうな。
どうしたらいいか、わかんねーんだ。こんなん、初めてなんだ。



