ちょっと口元をゆるめていたら、別のヤツに肩をたたかれた。
「な、レオ!!かけ声やろうぜ!!」
「かけ声?」
「うん、決めたやつあるじゃん!?レオ、先導よろしくぅ!!」
「…は、おれかよ」
「レオしかいねーだろ」
…何を基準におれしかいねー、のかわからないけど。
グルリと辺りを見渡す。
ソワソワ、おれを見てくるたくさんの目。
フウ、と1回、息をつく。
…よっしゃ、やるか。
自分の気持ちも奮い立たせるために、おれは声を張り上げた。
「しゃーねーなぁ……おっしゃ、かけ声いくぞー!中盤からのー!!」
「「クレッシェーンドっ!!」」
「終盤に向けてのー!!」
「「フォルテッシモーっ!!」」
「ぜったい優勝するぞー!!」
「ウオーッ!!!」



