おれ今、市ノ瀬ととなり同士で座ってて。
こんな普通に、話せてんの。話していいもんなの。
そういうのを意識し出すと、顔が変なカタチに崩れてしまいそうだ。
「…わたしは、わりと好きだよ」
言葉をそっと置くように、市ノ瀬が話し出す。
「色がたくさん出てくるから…景色が浮かんで、きれいだなぁって」
「ふーん…?」
「飯田くんの色は、金色だよね」
…いいだくんは、きんいろ。
突然市ノ瀬にそんなことを言われて、おどろいた。
まぶたにクッと力が入って、目が大きくなってしまう。
両手の指を、軽く組み合わせて。
次は言葉を宙に泳がせるように、市ノ瀬は話を続ける。
「わたしね、きれいだなぁと思ってたの。体育のとき、とか」
「………」
「昼の廊下歩くときとか…飯田くんの髪が、光に当たるでしょう?そしたら、すごく……」



