「キョウのホウカゴ、だって~」
市ノ瀬が去ったあと、ニヤけ顔の裕也たちにわき腹をつつかれた。
ツンツンツンツン、本気でうっとおしいけど、1人1人に反応を返す余裕もない。
「よかったネっ」
「…いらねー世話焼くなアホ」
それだけ言って、ムスッと押し黙る。
無表情をつくろっていたけど、正直、頭の中は絶賛混乱中だ。
「まったまたー!がんばれな〜レオ〜!!」
「…うっせ」
「「キョウの~ホウカゴ~っ」」
「声そろえて歌うなマジでうざい」
ホッとしたようで、ドキッとした。
ドキドキして、正直嬉しくて。でも、やっぱり複雑だった。
おれのせいで冷やかされたり、セットみたいに見られるようになってしまったけど。
…市ノ瀬は実際、メイワクしてるんじゃねーかなって、思ったから。



