まばたきだけ増えて、でも顔面はフリーズしている。
そんな市ノ瀬を見ていたら、申し訳ないっていうか、もう心苦しくなってきた。
「お前ら、いい加減に……」
そう、言いかけた時だった。
「……きょ、」
首がおれてしまいそうなほど、うつむいたまま。
市ノ瀬が、小さくくちびるを動かした。
「今日の……放課後、だったら、大丈夫」
「〜へっ!?」
思わずデカい声で、反応してしまった。
廊下一帯に、おれの声が響き渡る。
…いや、だって。今日って。
今日の放課後って。
みんなのニヤニヤした視線に包まれる中。市ノ瀬はペコッと頭を下げると、逃げるように教室に入っていく。
…マジかよ。
残されたおれは、半開きになった口を閉じることもできずに固まっていた。



