あわてて体を前のめりにして、裕也に詰め寄る。
「…は!?お前なに言って―――」
「この前行ったカラオケでもこいつ、へったくそでさぁ~」
「そうなんだよ~!レオ声はいいくせに、音程取れないんだよな~」
「あーっ、このままじゃおれら、合唱コンクール優勝できねーよー」
裕也に続いて、二重三重に加勢してくる周りのヤツら。
裕也の胸ぐらをつかんだまま静止したおれは、怒る以前にもう、あきれるしかなかった。
…なーにが優勝できないだ。
そんな気、サラサラなかったくせに。
しかもおれ、そんな音痴じゃねーし。
ヒクッと口の端を動かして。ものすごく気まずい思いで、市ノ瀬を見上げる。
「…………」
…うわ。
困ってる。あきらかに困ってる。
市ノ瀬の小さな白い顔は、血が通ってないんじゃと思うくらい、さらに白くなっていて。



