教室の隅から飛んできた、自分の名前。
答えずにいると、
「〜レオってば!!」
「うわっ!?」
耳元で叫ばれて、グイッと腕を引かれた。
おれをわざわざ呼びに来たのは、希美だった。
強制的に立たされたおれは、いつものメンバーの中に連れ込まれる。
イスには座らず、床で輪になっている裕也たち。
希美に引っぱられて来たおれを見ると、ニカッと、全員同じような笑顔を浮かべる。
「おう、座れ座れ~!!」
「なっ、レオ!!これ見ろって、チョーウケんだけど!!」
「これ、おれ最初見たとき、笑いすぎて泣いたし!!」
突き出された、ケータイの画面。
その上を指がすべると同時に、チカチカ光る動画が流れ始めた。



