クラスメートたちは全員、自分の席に着いたまま。
一言も話さずに、黙って、真子のことを見ていた。
シンと静かになると、となりのクラスのざわめきが聞こえる。
こんなことは、初めてだった。
だっていっつも、おれたちのクラスが1番うるさかったから。
「…ごめんなさい。少しだけ、時間をください」
ぺこりと頭を下げる真子。
硬い表情で、おそるおそる話し出す。
「あの……わ、わたし。高校受験のとき。目指していた別の高校が、あったんです」
突っ立ったまま、ゴクンとつばをのみこむ。
それは、海に一緒に行ったとき、すこしだけ聞いた話だった。
緊張してしまって、受験に失敗してしまったこと。
その出来事は、真子の、心の大きなしこりになっていること。
「わたし…すごく。すごく、気持ちが弱くて」



