「…っえ、髪………っ、」
鮮やかな、色。
真子の黒髪が、明るい茶色に、染まっている。
全員の視線を一身に受けながら、あわてた様子で、教室に入ってくる真子。
それ同時に、廊下側からも朝日が舞い込んで。
照らされると、金色に見えた。
…自分が塗りつぶしたはずの色が、そこにあった。
「お…遅れてしまって…すみません…っ、あ、あのっ」
「…お、おう」
「式まで、まだ時間ありますか…!?話したいことが、あって」
あんぐり口を開けたまま、イワコウがうなずく。
クラスメートの大半も、きっと同じような顔をしているんだろう。
そういうおれは、自分がどんな表情をしているのか、ちっともわからない。
息を、整えながら。
真子は緊張した面持ちで、ゆっくりと教卓の前に近づく。



