心の中でもう1回、は?って思った。
なんで、真子。
「え……おれ、一緒にいなかったけど」
おれの答えに、イワコウはいっそう怪訝な顔をする。
心の中が、ザワついた。
「……えーっと……お前ら、知らないか?」
イワコウの問いかけに、クラスメートたちはみんな一瞬、静かになる。
そしてそれぞれに顔を合わすと、すぐに「どういうこと?」とヒソヒソ話を始めた。
…真子が、まだ来ていない。
なんで。真子は遅刻なんてものには1番ほど遠い生徒のはずだ。
イワコウにうながされて自分の席には戻ったものの、おれはすっぽ抜かれたみたいな、放心状態だった。
「休みの電話はきてないんすかー?」
クラスメートの、だれかが言った。
真子は今日、卒業生代表の挨拶をする予定だ。
もし体調不良なら、早めに連絡が入っているはず。なのに、なんで。



