「れーおっ」
「うわっ」
後ろからガシッと肩を組まれて、感傷的な気分が吹っ飛ぶ。
巻きついてきたのはもちろん裕也。
とがり方はおとなしくなったとは言うものの、硬い髪はほおに当たると十分痛い。
「おれのにもメッセージかーいてーっ」
「とりあえずはなれろ、重い」
「えー…っつかレオ、市ノ瀬さんはー?」
ひたいに手を構えて、裕也は教室内をくるりと見渡す。
「………あー?真子はまだ…」
そう。そうなんだ。
…真子がまだ、来てない。
最初は違うクラスにでも行ってんのかなって思ったけど、カバンもないし。ずっと気になっては、いたんだけど。
「珍しいなー?いっつも登校早い組なのにー」
おれの気持ちを代弁するみたいに、裕也が言った。
まあ今日は、特別にみんな来るのが早いだけだから、遅いってわけじゃないんだけど。
本来ならまだ、教室はガラ空きの時間帯だしな。



