頭をひねりながらキャップを外す。
クラスが3年間一緒だったおれと希美。
とりあえずの定番文句に、″3年間ありがとう″の3を、書き始めた時だった。
「…ね、レオ」
アルバムに向き合っているおれに、希美が話しかけてきた。
「ん?」
「改めて合格、おめでと」
「おー。ありがとな」
「あたしね、アパレルで就職すんの。子供服の」
長いクリクリした髪を耳にかけながら、ニッと、希美はいたずらっぽい顔で笑う。
そして言った。
「働き出したら、レオよりいいオトコ、見つけるからねっ!!」
「………ふはっ」
「ちょ、なんで笑うのよ!?」
「はは……いや、うん」
…うん。なんかこういうの、希美らしいなって思ったんだよな。
今にもパンチを繰り出してきそうな希美に謝りながら、おれは笑った。
毛先まで丁寧に巻かれた希美の髪を、最後になって始めて、ちゃんと見たような気がする。



