きみは金色

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裕也と会ったあと、家に着いてみたら、めずらしく母親が帰ってきていた。



は?と思った。玄関に、黒いヒール靴があったから。



さらにめずらしいのは、家中に香ばしい匂いがたちこめていたことだ。




「…………」




…一体、なに。なにが起こってんの。



首をかしげながら、おれは心構えをしつつリビングに向かう。



足を踏み入れると、グッと濃くなる匂い。


それを吸い込むのと同時に、テーブルにたくさんの料理が並んでいるのが目に入った。




「………」

「あ、帰ったの」




キッチンでせわしなく動きながら、母親が言った。


なんだこれは。呆然としながら、やっと口を開く。




「…あー…えっと。なに、これ」

「夕食だけど」

「……は。量、多くない?」