全然爽やかじゃないその顔を前に、おれは少しだけ口元をゆるめた。
「…なんだかんだで、ずっとここに集まりそうな気ぃするけどな」
「ははっ、たしかにな!!」
おれの返事に、裕也は顔をくしゃくしゃにして笑う。
「…レオ、おめでとうな」
そのあと、ゆっくり顔を引き伸ばして。
ちょっと真剣な表情になって、裕也は言った。
「大学生じゃーん。キャンパスライフじゃーん」
「…あー、どうも」
「すげーよなぁ!!2年んのときからしたら考えらんねえよなー」
「そうだな」
…そうだな。
時が経つのって、あっという間だ。
2年からいつの間にか3年になって、3年はもう終わりで。
おれたちは別々の場所に進むことが、決まっている。
明後日には、卒業式だ。
真子が戻ってくる日。
証書なんてモンを受け取る日。
…おれたちが高校生でいられる、最後の日。



