鉛筆を持つ手は、思ったより進んだ。時間が足りない、なんてこともなくて。
そして迎えた、結果発表の日。
ネットで自分の番号を見つけたときは、世界が回ったかと思うくらい。
…ビックリして、嬉しかった。
今控えているのは、もう卒業式だけ。
気分は一気に春色。
おれたちは勉強づけの日々から、やっと解放されたんだ。
1杯ずつ飲み終わってから、おれたちは連れ立って店を出た。
2人とも合格が決まってゆっくり会える、始めての日。
せっかくだからって入った、外装の凝ったカフェ。
今までずっとファーストフードの店ばっかだったから、どうも単価が高いように思えてしまった。
それが悪いわけじゃないけどさ。なんつーか。
まだ若干、自分には背伸びしてる感じっつーか。



