きみは金色






「あーっ!?そんなとばすなよ!!お前まだ初心者だろ!?」

「大丈夫だってー。買ってからも練習したもんおれー」

「とばすなっつーか走るな覚えた単語が頭からこぼれ落ちる」

「はは、無理言うなよー!そしたら会場たどりつけねーだろー」



入試当日。


早朝から、おれはレオを後ろに乗せてバイクを走らせていた。



そんなにスピードは出していないのに、レオはギャイギャイうるさくて、何度もおれに頭突きしてきた。


ヘルメット越しに、だけど。



いつもはおれの方がにぎやかなのに。


だからやっぱ、ちょっと緊張してんだろーなって、思う。



ごまかそうとしてんのが、なんか伝わってくる。



ごまかそうとして、そんで、バイクの後ろが初めてでちょっと怖いから、必死におれにしがみついている。



いつもはおれに無愛想なかんじのレオが、そういうかんじなのは、ちょっと可愛い。面白い。