…なんだアイツ。
無意識に、手に力が入っていた。
握った用紙に、くしゃりとシワが寄る。
…なんなんだよ。なんであんなヤツに、底辺呼ばわりされなきゃなんねーんだ。
『自業自得だよ』
勝ち誇ったような表情が、頭によみがえる。
今さらどんなに頑張っても、お前なんかダメだ。
そう言われたみたいだった。
『ぼっぼくとか、い、市ノ瀬さんとか……!!頑張ってきた人が、上になるんだ!!』
…委員長はもしかしたら、真子のことが好きだったのかもしれない。
真子におれは似合わないとでも言いたかったんだろうか。
お前には関係ないけど。真子は、おれのだし。
おれと真子は、全然、うまくいってるし。
今までだって。
…これから、だって。
「……っ、」
ガンッ、とイライラをぶつけるように、机を蹴った。



