きみは金色



「す、すごいなぁ、ぼくにはできないな」

「……なに?さっきからなんなのお前」



下からにらみつけるように、血色の悪そうな顔を見上げる。


委員長はグッとこぶしを作ると、裏返った声でおれに言い放った。



「〜じ、自業自得だと思うんだよね…!!き…、きみが好き勝手している間にっ、ぼ、ぼくは今まで、ずーっと耐えてきたんだ」

「………は、」

「せまい学校のなかじゃきみみたいなヤツがトップだったかもしれないけど、広い世間に出たら違うんだよ。じゅ、順位は逆になるんだ!!ぼっ、ぼくとか、い、市ノ瀬さんとか……!!頑張ってきた人が、上になるんだ!!」



一気にまくし立てて、顔を上気させる委員長。


そして背中を向けると、逃げるように教室を出て行く。



言い逃げされたおれは、1人教室に取り残されて、呆然としていた。