メガネの向こうのはれぼったい目。
そこから出る視線が、おれの模試結果に注がれている。
「…勝手に見んなよ」
じっとりとした視線だ。
バツが悪い思いで、その用紙を閉じる。
委員長は立ち去る様子もなく、背後に突っ立ったまま、おれのことを見下ろしている。
なんだよ、と言おうとした瞬間、委員長が口を開いた。
「お、大阪志望してるのって……も、もしかして、市ノ瀬さんが、O大、受けるから?」
「…………は?」
なんか、イラっとした。
なんで委員長なんかに、そんなこと答えなきゃなんねーんだ。
委員長は、なぜか、いつものオドオド顔とは違った表情を浮かべていて。
鼻につく口調で、こんなことを言ってきた。
「公立なんて…そ…そんな無謀な受験、よくできるね。飯田くん」
「……っ、」
…は、なに。ケンカ売ってんの、コイツ。
グッと、頭に血が上るのを感じる。



