『すげーのな、お前!!』
おれが興奮した声でそう言ったとき、頬を染めて答えた真子。
『ありがとう』
おれが真子に惹かれた空間はたしかにここで、
好きになった瞬間は、たしかに、この音を聴いた時だったんだ。
「…れ、レオくん?」
演奏が終わった瞬間、思わず真子を抱きしめていた。
立ったままのおれに、頭まですっぽり埋まる真子。
小さくて、白くて、華奢で。
おれより冷えていて……でも、ぬくい。
「……ひゃっ、」
ギュウと抱きしめ続けたあと、キスをした。
わけ、わかんねーけど。わかんねーけど、なんかすっげー、切なかった。
感極まって、制服の下。真子の背中に滑り込ませていた、自分の手。
触れたことのなかった場所。
真子の体が、一瞬、ビクッと跳ねる。
学校でこんなことするなって、普段なら顔を真っ赤にして怒るはずなのに……真子は、何も言わなかった。



