懐かしくて、すげーなって思う。
その真子と付き合えて、それが当たり前になって。
今じゃおれは、受験生なんてモンやってて。頑張っていることがあって。
よくわからないけど、胸が少し、ジンとした。
真子の指がゆっくりと白に沈んで、静かな空間に、優しい音が鳴りはじめる。
…ものすごく、澄んだ音だ。
グン、と引っ張られる。
やっぱり来る、体の細胞が洗われる感覚。
目とか鼻とか。気管にダイレクトに響いて、鳥肌が立った。
…すげーな。
弾けるもんなんだな。
ちゃんと、覚えてんだな。
おれも伴奏に合わせて歌おうと思ったけど、歌詞は全然思い出せなくなっていて。
ただぼうっと、真子の音を聴いていた。
…きれいだなって、思った。
きれいだ、ものすごく。聴きたかったのは、この音だ。
一気に引き込まれた、2年の頃の、金髪の自分と。
今の自分が、重なった気がした。



