近くで笑ってて、楽しかったんだ。
レオのグループにいるってことで、なんか無敵な気がした。
あたしとレオが、お似合いって言ってくる子もいた。あたしは、満更でもなかったんだと思う。
そんな日々が続いていた中で起きた、ある出来事。
合唱コンクールを控えた、音楽室でのことだ。
行事なんて、ほんとめんどくさいから。誰も真面目に歌の練習になんか取り組むわけなくて。
あたしは雑談に夢中で、伴奏の音が鳴っていることにも気づかないくらいだった。ほんと、どうでもよかった。
そんな中、1人歌い出した生徒がいた。
それはまさかの、レオだった。最初はギャグかと思って。
めちゃくちゃ爆笑してたけど、あたしはあることに気づいて、笑うのをやめた。
レオは、笑いを取ろうと思ったんじゃない。
…レオは、伴奏者のあの子をかばったんだ。
『な、んで、泣いてんだよ…!?』



