*
完全に、夜に分別される時間帯。
辺りがすっかり暗くなった頃、おれは真子の通う塾の建物のそばに座っていた。
夏期講習は、遅くまでほとんど毎日あるって聞いていた。
きっとここにいれば、会えるはずだ。そう思って、真子を待っていた。
講義が終わったのか、急に出入り口が賑やかになり始めて。
ゾロゾロと生徒たちが出て行って、それからしばらく経った頃だった。
遅れて1人、塾から出て歩いてくる、小柄な女子が見えて。
「……真子っ」
それがだれか、すぐにわかった。
立ち上がって、呼びかける。
振り返った真子は目を見開いて、コントみたいにカバンを落とした。
「〜れ…っ、レオくん!?」
慌ててカバンを拾って、おれの所へ走り寄ってくる真子。
丸い瞳に、クセのない黒髪。
透き通るような、風鈴の声。
完全に、夜に分別される時間帯。
辺りがすっかり暗くなった頃、おれは真子の通う塾の建物のそばに座っていた。
夏期講習は、遅くまでほとんど毎日あるって聞いていた。
きっとここにいれば、会えるはずだ。そう思って、真子を待っていた。
講義が終わったのか、急に出入り口が賑やかになり始めて。
ゾロゾロと生徒たちが出て行って、それからしばらく経った頃だった。
遅れて1人、塾から出て歩いてくる、小柄な女子が見えて。
「……真子っ」
それがだれか、すぐにわかった。
立ち上がって、呼びかける。
振り返った真子は目を見開いて、コントみたいにカバンを落とした。
「〜れ…っ、レオくん!?」
慌ててカバンを拾って、おれの所へ走り寄ってくる真子。
丸い瞳に、クセのない黒髪。
透き通るような、風鈴の声。



