でも今になっても希美が、真子にあまり好意的ではないのは確かだった。
さっきとはうってかわって、黙ってしまった希美のとなり。
おれがそろそろ自分の乗る電車のホームに向かおうと思った、矢先のことだった。
「……続けるわけ?」
ふてくされた希美が口を開いて、そんなことを言った。
「…は?」
「だって、卒業したらどーせ離れちゃうんじゃん?」
聴き覚えのある音楽。
電車が到着することを知らせる電子音が、頭上から降ってくる。
それと重なったけど、希美の声はちゃんと聞こえた。
聞こえたけど、意味がわからなかった。
「は……?」
眉間にシワを寄せて希美を見ながら、おれは尋ねた。
「なに。どういうことだよ?」
「え…だって、あの子O大受験するんでしょ。遠距離決定じゃん」
「え、は…?つーか…なんで希美がそんなこと知ってんの」



